
ネットフリックスのキャンペーンで明石家さんまさんがインタビューに答えています。テレビ界の大御所という立場から見たネットフリックスとは、というテーマで、ツイッターのタイムライン上やテレビCMにもたくさん映像が流れています。
月に1000円支払えば、何千もの映画やドラマが見られるネットフリックス。我が家では家族4人全員が観ています。地上波テレビとの視聴時間の割合は、NETFLIX6:地上波4くらいだと思います。いずれ7:3になるでしょう。
アマゾンプライムとかhuluとかdtvとか、他にも定額制の動画見放題サービスはたくさんあって、テレビ業界にとっては黒船到来とも言われています。
サービス開始時には、“黒船”と騒がれたNetflixだが、本当にテレビのライバルになり得るのか。なぜ、ここまで急成長を遂げたのか。
日経トレンディネットより
テレビ=地上波テレビ受像機ではなくなった。
ご家庭のテレビのリモコンをよく見てください。ど真ん中の目立つ所にボタンがありませんか?白地に赤で「NETFLIX」。妻の実家でその姿を見た時は「いよいよか・・・」と思いました。
私は20年近くテレビ番組の制作をしていますが、ここ最近、何ともいえない停滞感を肌身に染みて感じています。そしてふと我に返ると、自分自身もネットフリックスで「ブレイキング・バッド」「ウォーキングデッド」「ナルコス」などアメリカ製ドラマを見まくっているではありませんか!アカンやん。
お年寄りもネトフリに夢中
妻の母は韓国ドラマが大好きで、ネットフリックスだけでなくdtvにも加入し、中毒患者のようにシリーズドラマを貪っています。私の父は正月にアマゾン通販をよく使うからプライムに入りたいと言うので、加入を手伝ってあげました。するとしばらくして連絡があり「おい!アマゾンプライムで見れる映画とかドラマ、あれええな!もう普通のテレビ見いひんなったわ、ガハハハ」とご満悦な様子。アカンやん!とても貴重なテレビ視聴者をひとり減らすことに加担してしまいました。
黒船と大御所芸人
さて、そんな黒船ネットフリックスがやっている明石家さんまさん出演のキャンペーン、すでにアマゾンプライムではダウンタウンの松本人志さんがやっている「ドキュメンタル」という番組もあり、地上波では流せない強烈なバラエティー番組のCMが、テレビでたくさん流れています。いよいよ民放の牙城に新たな勢力が進出して、大御所芸人まで起用するようになる、これまでの常識が変わっていく潮目になっているように感じます。
さんまさんが語る「敵」とは
「今の20代30代、10代がテレビをどう見ているのか?」
「youtubeを利用してスターになろうという芸人もいるので」
「オレらyoutube 敵やねんな、本当に敵なの」
「ちょっと心の整理をつけているところです。」
「本当はネットフリックスも敵やねんな、俺たち民放のテレビやってる人間にとっては」
芸人はテレビのレギュラーをとるために苦労をしているのに、今は素人がちょっと動画を撮ってyoutubeにアップして、簡単に人気者になっている時代。この大きな流れが「敵」だと。
ひとつさんまさん誤解していると思うのは、人気youtuberは決して楽して簡単に昇っているのではなく、他にない強みを打ち出して、表現を磨いているから人気者になっているのであって、確かにお客さんを前に冷や汗をかいて、番組スタッフにドヤされて成長している芸人とは、苦労の仕方が違うけど、やっぱり陰で努力をしているという点です。
とはいえ、今までにない方法で人気者が増えたら、テレビを主戦場にしている芸人が、苦しくなるのは頷けます。でも実は彼らはテレビだろうがネットだろうが、どんなプラットフォームであっても、その芸人自体のニーズがあれば、どこでも生きて行けます。だからさんまさんだって、地上波テレビで流れるネットフリックスのCMにも、心の整理をつけながら出演ができるのだと思います。
芸人さんタレントさんと違い、すぐに時代に適応できそうにないのがテレビ業界の内部の人々(私も含む)ですが、この話しはまた考えがまとまってからに