
今日は独断と偏見の私論です。
世間一般(という言葉も何を指しているのか曖昧ですが)のイメージで中小企業の社長というと、人情味に厚くて、よく働いて、親しみがある中高年というところではないでしょうか?
私も35歳くらいでフリーランスになって、たまたま関らせてもらった仕事でたくさんの中小企業の社長の方とお会いするまで、こうしたステレオタイプの印象を抱いていました。
それまでサラリーマンとして働いていた制作会社も中小企業でしたが、勤めた2社とも社長の仕事術やキャラクターが特殊だったので上記のようなイメージとは少し外れていました。(イカレていたという表現が的確でしょう)
この一般化された中小企業社長イメージはマスメディアが植え付けている部分もありますし、日本フルハップのCMに出演していた財津一郎さんの存在もイメージの確立に一役買っています。
で、あえて、こうしたイメージは早く社会から払拭した方がいいと思い記事を書きました。
なぜか?
こんなのんびりした雰囲気で生きられている中小企業の社長なんていないからです。
皆さんカツカツです。売り上げつくって社員を養って、取引先に頭下げて、資金繰りに苦慮して、無理して身体壊して、でもストレス解消で酒飲んで、何かの反動で趣味に没頭して・・・
というような濃ゆい濃ゆい人生を歩んでいるのが中小企業の社長です。
創業社長よりも二代目社長として中小企業を引っ張っている人の方がより心中は複雑で、より濃度が増すと個人的には思っています。幼い頃から社長のオヤジを見て、会社の重鎮を差し置いて社長を引き継いで、さらにその重鎮を含めた社員を自分の采配で給料払って食わしていく覚悟なんて、そんじょそこらの甘っちょろい感性では耐えられるものではありません。
でもそれを成し遂げて会社を大きくしている二代目社長もたくさんいて、そんな方々には心から敬意を表します。
私自身、サラリーマン家庭に生まれ、30半ばまでそうしたリアル中小企業社長にお会いする事がなかったのですが、中小企業の社長に対して間違ったイメージを抱いている方は改めていただきたいと思います。
中小企業の社長は過酷です。
中小企業の社長は自分の判断の間違いで、身近な社員とその家族が一瞬で不安定な境遇に陥ります
中小企業の社長はJALとかシャープとか東芝とかみたいに、国家的な大きな力で守られることは皆無です
中小企業の社長は客から平気で値段をたたかれます
中小企業の社長は、力のある社員から平気で反発をくらいます
中小企業の社長は朝から晩までかけずり回って、金策して、頭さげて日本の経済を支えています。
彼らの生き様が大変だから労ってあげてといいたいのではなく、彼らのように必死で会社を維持する人々に敬意を持って、なおかつそうした存在に憧れて、目標とする若者が増えたら、日本の社会も楽しくなるのではと僕は思います。
銀行もいいけど
マスコミもいいけど
公務員もいいけど
中小企業の社長が一番だと、個人的には思っています。
(僕は3年前に起業して目下のところそこの領域を目指しています)