吉本興業社長のロングインタビューが読ませる内容だったので・・・

自分が感じだことをメモしておきます。ちなみに私は地方ローカル局に出入りする制作会社からキャリアを始めて、在阪局の番組制作がメイン、たまにBS局やキー局の番組に関ったという経歴の、40歳過ぎの番組ディレクターです。

 

ネットフリックスのドラマにハマっているので、とにかくクオリティーが凄いなとか
アメリカ発 連続ドラマの恐るべき中毒性

 

テレビ界のトップスター、明石家さんまさんまでがネットフィリックスのCMに出てる、スゲーとか
「敵」という言葉が重い 明石家さんま × NETFLIX

 

最近ではダウンタウンまっちゃんに続き、はまちゃんまでもがアマゾンプライムに進出、なんか知らんけど車を使った大掛かりな番組を作っているなあとか・・・

 

 

次から次へと出てくる“黒船系国産番組コンテンツ”について自分なりに考えてきました。そしたら昨日、日本最大のお笑い芸人事務所である吉本興業の社長のロングインタビューが目に飛び込んできました。これがとにかく読ませる内容だったのです。

 

特に大切だと思うポイントを引用して思ったことをメモしておきます。

 

大崎社長:Netflixの人たちとは1回食事しただけで、Amazonの人とは会ったことがないんです。

 

のっけから意味深な発言です。自分とこの看板タレントを既存のテレビ局とは全く違うチャンネルに大々的に出演させているというのに、トップ同士が何度も交渉を重ねて実現しているのではないのですね。吉本の社長のスタンスなのか、外資系メディアの人達では当たり前なのか?

 

大崎社長:僕が考える適正配分とは、支払われるべきところに、きちんとお金が落ちること。

 

テレビ番組に限らず、アニメや映画の世界の現場で働く人が、皆思っていることでしょう。僕は裏方として、吉本興業のトップの方がこうした考えを持っていたことが意外でした。

 

Q 『火花』の映像化はたくさんのオファーがあったのでしょうか。
大﨑社長:岡本くんに聞くと「いっぱい来てますよ」って。放送局さんに持っていくと「じゃあ、うちがつくってやるから、ギャラいくらくらいほしいの」という感じなんです。

 

ああ、なるほど。あれだけの人気芸人を抱えた大きな事務所でも、オリジナルコンテンツを作る上で、放送局の対応がこんな感じなんだなあと。つまり作り手は放送局であってあくまで芸人は出演者として、ギャラをもらう立場として扱われているのかと(全部がそうじゃないとは思いますが)

 

 

大崎社長:何かで読んで、「Netflixっていうのはテレビのカチャカチャ(編集部注:リモコンのこと)のところにボタンがついてるらしいで」っておかもっちゃんに言って。おかもっちゃんがどこかの電気屋さんに行って「本当に付いてましたー」って。あっそう、すごいなーって。テレビのカチャカチャについてるってのは、すごいなあNetflixって。

 

 

僕も、嫁の実家にあったリモコンについていたボタンに驚愕した人間の1人です。これはたぶん何かが大きく変わる象徴的な出来事なのではと思いました。

 

 

大崎社長:日本は制作会社が下請けと位置付けられているから、制作会社が育たない。制作会社を育てていれば、もっと日本のテレビ業界も変わったんじゃないですか。それはアニメもしかり。いままでは出口がテレビしかなかったのが原因だと思います。

 

たまに酔っぱらって夜中の電車内でまとまらない考えを投稿したりします。いつだったか「下請け」という言葉を無くしてしまえ!とか、正社員、非正規社員という表現自体がおかしいやろ!とかアップして、翌朝見てとても恥ずかしくなった記憶があります。これからも年に数回は恥ずかしい投稿をしてしまうでしょう。なんか鬱積したものが思わず漏れてしまう感じで・・・

 

テレビ業界アニメ業界にかぎらず、全ての産業で「下請け」という言葉を排除してしまえばいいと思います。「協力会社」または「パートナー」を使うべし。言葉が変われば現実も変わるのではないかと・・・

 

 

大崎社長:吉本興業は、売上のほとんどがテレビ局さん。AD(アシスタント・ディレクター)さんを3K(編集部注:きつい、汚い、危険。最近では、帰れない、厳しい、給与が安い、とも)と言ってた時期があったじゃないですか。テレビで3K、3Kと言っていたら、そんなところには、いい人材なんてこない。ADは本来、将来の演出家たちです。

 

 

お付き合いのあるプロデューサーから「誰か若くていいディレクターいない?」と聞かれることがあります。そんな時僕はいつもこう答えています。「仮におったとしても、みんな死ぬほど忙しくしてますでー。ヒマな人間で一番若いのは、ズバリ僕でっせ」と。

 

若者自体が減っている上に、キツい業界というイメージが定着してしまっていて、年々ADさんは減っていくばかりの印象です。大きな制作会社でも人材確保に苦労していて、入ったばかりのADさんが何人ものディレクターの下働きを掛け持ちしているケースが目につきます。何人かのディレクターが1人のADさんをこき使うと、精神的にも肉体的にも追いつめてしまいます。

 

僕たちのようなオジサンスタッフが上にわんさか詰まっていて、なかなかポジションが空きそうにないような業界で、じっと耐えて頑張ろうという若者がが一体どれだけいるでしょうか?

もし僕が今20歳なら、「自分でyoutuberとしてどこまで通用するかやってみよう」となるはずです。

 

 

Q  Youtubeを通して、素人という黒船もきているのかもしれません。

大﨑:情報過多だなとは思うけど、簡単に昭和の歌謡曲もアメリカの歌も聞ける。そういう幸せというのもある。ええ悪いということじゃなくて、マーケットが決めることかなあと。

 

「情報過多だけど、ええ悪いではなくマーケットが決める。」さすがなにわの商売人ですな

 

 

 

大崎社長:大手のレコード会社や出版社はみんな自社ビルを持っている。うちらは東京に出てきて20年、30年経つけど、いまだに自社ビルじゃない。新喜劇のけいこが遅くなったら、1000円の弁当代を800円にせえとか、そんなことをずっとやっている。でも向こうは自社ビルだ、すごいなあと感心するんです。でもこれは、演者やクリエーターにとっての適正配分なのか。 新しいメディアが来た時に、もう一度、適正配分を目指してチャレンジをしたいなあと密かには思っているんです。

 

 

かなり辛辣な意見。演者やクリエイターに適正な配分をせずに肥え太っている一部の会社がいる、ということでしょうか?吉本の若手芸人の方々がテレビでも平気に「吉本は9割ギャラを持って行く」とか喋っていて、えげつない会社やなあと思っていましたが、これとはまた別な話?

 

テレビで飄々と言えるくらいなのでネタとして消化しているのでしょうか?トップの芸人さんたちが高額所得だから、事務所としてバランスが取れているのでしょうか?この辺はよく分りません。

 

ただ「適正配分を目指してチャレンジをしたい」という言葉が、すごく重いです。今はそれができていないという表明ですから。

 

僕なりのまとめとして

国産のエンターテインメントやクリエイティブを生き残らせるためには、表に出る芸人、タレント、役者さん、裏方のクリエイターを問わず、才能がある、将来があると認められた人に対して、これまでの常識では考えられないような高額報酬を支払うべきだと思います。

 

または一律で年代ごとの報酬をガラガラポンする。20代は今の3倍、30代は2倍、40代は現状と変わらず、50代以上は3割引き。これくらいの思い切った大鉈をふるわないと業界は復活しないのではないでしょうか?

 

アニメ制作会社にもネットフリックスが影響を与えようとしていると聞きます。変化の波は加速度を増してどんどん押し寄せて来ています。ぬるま湯だと思っていたら、実はもうかなり熱々のお湯に浸かっている状態になっているのではないかなと

 

大きな影響力があるタレント事務所の社長が、こうして業界の問題点を本音で語る記事が、なんだか心に響く内容だったので、こうして記しておこうと思いました。

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