前代未聞!アメリカ発 “CMを売るためのCM ”がこれだ!

なつかしの決まり文句

昔のバラエティー生番組にはCMに入る前に、出演者がカメラ目線で「はい、コマーシャル!」とかセリフを言ってましたよね(何の番組でしたっけ?)。子ども心に「今からどんなコマーシャルが流れるのだろう」とワクワクしていた覚えがあります。テレビ番組とコマーシャルがまだ良い関係にあった古き良き時代です。

今の時代が悪いと言いたいのではありませんが、なにせ広告の情報量が多くなり過ぎたので、テレビ番組を見ていてもCM中はスマホに気がいったり、録画した番組だと平気でCMをスキップしてしまいます。CMの作り手にとって、なかなか厳しい時代になっているのは間違いありません。

前回そんなCMについて、最後に一瞬展開する「オチ」は必要ですか?という記事を書きました。ひとつの映像作品として成立させるためのオチが、実際は視聴者の購買意欲をそいでいるのではと疑問に思ったからです。

買いたい気持をくすぐるCM

では一体どんなCMが視聴者の「買いたい」気持をくすぐるのか、僕は「ジャパネットたかた」が現時点の最高峰だと思っています。テレビCMではなくてテレビ通販ですが、物を売るための映像という意味ではCMも通販番組も同じで、地方のテレビ局やBS局 CS局 ケーブル局などは、もしテレビ通販番組がなかったら、ものすごく収益が減ってしまいます。

語り手が熱意をこめて商品を紹介し、便利な機能を実演してみせる。たぶんこのスタイルの上を行く表現はないのではと思います。

ただしこれは製品として「リアルな物体」がある時に特に効果を発揮する方法なので、物ではなくサービスを売る場合には当てはまらないことがあります。

例えば自動車保険を売るCMなら、実際の事故現場を再現してみせて、困った役者さんがコールセンターに電話してオペレーターの対応に安心したり、例えば効果的なダイエットが売りのトレーニングジムなら、有名人が実際にメニューを体験することで、ビフォア、アフターでブヨブヨの肉体から引き締まった姿のギャップを見せたりと、表現手法は色々あります。

CMを売るためのCM・・・

本題です。アメリカのドラマの中に何と、CMを売るためのCMがありました。全米で大ヒットしたドラマ「ブレイキング・バッド」の登場人物、ソウルグッドマンを主役に据えたスピンオフシリーズ、「ベター・コール・ソウル」です。このドラマではCMを作って放送するシーンが何度もあります。

主人公が弁護士事務所を宣伝するために買ったCM枠が、諸事情で使えなくなってしまい、このままだと4000ドルが無駄になってしまう。何とかせねば!。彼は格安でCMを作りましょうと店舗などを営業して回るのですが全然うまくいかない。

それならCMを売るためのCMを作ってしまえと完成したのがこちら。(1:08あたりからスタートします)

「あれは何?アルバカーキの新スター?」
「あなただ、社長さん」
「経済の荒波でもがく日々」
「だけどCMは高すぎる?」
「よく考えて」
「テレビに出ないでどうする?」

「3つの売りを生かせ」
「最高のサービスと商品、そしてー」
「その顔!」
「あなたはスター」
「そのカリスマ性があれば、、、BANG!」
「テレビの申し子」
「ファンとパパラッチにご用心」

「なんと!オンエアは翌日、ここが大事、明日です!」
「有名人になる準備は?」
「お手頃価格であなたをスターに」
「電話を!」

「ソウルグッドマンと世界に名を響かせよう」
「今すぐ電話を!」

天才的な宣伝文句ですね。無形のサービスなのに人物の語りとアクションだけでグイグイと売り込んでいます。アメリカの典型的なCMのスタイルを誇張して、面白おかしく表現しているのですが、「テレビCMのCM」というニッチな分野を完璧にとらえた傑作です。

しかもドラマの設定では制作費がないので、地元大学の垢抜けない映像学科の学生をスタッフに使い、ゲリラ撮影もなんのその、レールなんか引く予算はないから車いすは必需品、強引に撮影してすぐに編集、すぐに放映。

NETFLIXより

日本でも地方ローカルCMがたまに話題になりますが、苦肉の策で表現した映像が、見るからにチープなんだけど、どういうわけか人々の心に響いているのです。

もちろんお金をかけたら色んな苦労は減ります。でもお金をかけて映像の質にこだわったのに、肝心の商品やサービスが売れなければ、CMを作る意味はありません。クライアント、代理店、制作会社がよく話し合って、目的を達成するための媒体、予算、表現をとことん突き詰めるべきたと思うのです。

本編の「ブレイキング・バッド」に登場するCMは、もっと後になって弁護士のソウルグッドマンがお金に余裕が出てから作っているので、特殊効果やタレントにお金をかけています。

どんな商品、サービスでも映像メディアの活用は不可決です

映像やインターネットを使って商品やサービスをPRする手法は、もはや当たり前となっています。ただだからといって、単に映像を作って自社サイトに掲載するだけでは効果が得られにくい時代になりました。何をPRするのかを細かく決める。誰が発信するのか計画を立てる。お客様にどんなアクションを起こしてほしいのかを綿密に想定する。これら全ての要素を満たして映像による情報発信の効果を上げます。成長する企業に貢献できるオプティモにぜひお任せ下さい。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事