スマートニュースの藤村厚夫さん曰く「カッコイイビジネスモデルはない」
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10月30日にグランフロントで開かれたイベント「メディア×テクノロジー デジタル時代のメディアの挑戦」に参加しました。新聞社、テレビ局でデジタル系の部署におられるような方が多かったようです。

 

スマートニュースの藤村厚夫さんによる基調講演はパワーポイントを使わず、静かな語り口調で今、世界のメディアが置かれている状況、課題について聴衆に伝えていました。

 

いくつか大切だと思ったポイントを

 

これまで印刷、Web、モバイル、へと変遷してきたように、どっこいしょと姿や形を変えて対応していくのではコンシューマーの動きに追いつけない。デジタルになったときに様々な表現手法、多種多様性、爆発的なコンテンツの増加が起った。「線形」の物事の変化では徹底的に追いつけなくなる。

 

デジタル化された情報が、無数のネットワークによって繋がり変化し続けている世界では、もう次のトレンドがコレ、その次はコレという形で1つ1つの波に堅実に対応しているのでは遅すぎるという指摘です。スマートニュースはスマホ対応プラットフォームとして成長してきましたが、“存在意義”を問われているといいます。

 

「デジタルコンテンツビジネスはモバイルの時代だよね」も正しくない。コンテンツはスマホだけでなく音声デバイスからも発信されている。アマゾンのechoでは2000の媒体が登録され、音声読み上げでニュースを届けている。

 

バックトゥー・ザ・フューチャーがついに現実になってしまったのです。人工知能に話しかけて日常のいろんな家事や情報収集などを自動でやってもらう時代に既に入っていて、もう誰にも止められないのです。

 

テクノロジーは多種多様化して表現が広がっているが、作る側の「誰にどう届けるのか」が変化に追いついてこない。

 

今こそ全ての電子機器を捨て去って、人里離れた山中に籠もりサツマイモやバナナを育て、川魚を獲るような原始的生活へ回帰すべきタイミングなのだろうか?(ちょっとだけ本気)。でもそんな妄想をしていても、実際に行動に移す度胸はまったくありません。私は今の環境で変化に適応しつつ仕事をしていくでしょう。

 

ここに集まっている方は苦しみとかを持っているはず。皆さんすごくカッコイイビジネスモデルで変化への対応がなんとかならないか?と思っているかもしれないが、デジタルという情報はすり減らないので・・・

 

最後の方がよく聞き取れずメモできませんでした。でも藤村さんが警句としてあえて話したポイントがここだと思いました。

 

メディアやジャーナリズムというものに関ってきた人は、これまで先人が培ってきて価値を受けついでいるので、どうしても大きな流れを一旦リセットして再構築することが苦手なのではと思います。

 

当社のような小さな番組・映像制作会社でさえ、これまでマスメディアの端くれで仕事をしてきた自負が、何かしら自らの首を締めているような気がします。(バブルの景気のよい時代を知らない者でさえそんな感覚なので、いわんや全盛期を知るメディア人は・・・)

 

デジタル化された記事コンテンツ、動画コンテンツがすり減らずにあっという間に社会を駆け巡り次から次へと新しいものに置き換わる世界では、今まで特権的地位にいた「カッコイイメディア人」の感覚がビジネスの邪魔になりますよ、大丈夫ですか?そう伝えているように私は感じました。

 

この日は事業パートナーと一緒にセミナーに参加しました。全くの異業種の人ですが、当社に動画を含めたオウンドメディアの構築を依頼してくれたので、業界研究を兼ねて同席してもらったわけです。

 

藤村さんの話が終わり、大手新聞社、テレビ局関係者ら3人による「私たちが見たONA17レポート」へと続きまして、アメリカの最先端のメディア事情を聞き終わった時に

 

「内容ちょっと難しくないですか?」

 

とその人から言われ、ちょうど休憩に入ったタイミングだったので会場を離れました。「難しい」と言ったのはたぶん私への配慮で、本音は「面白くない」だったのではと推測しています。ここにもメディア関係者とそれ以外の人では大きな断絶があると感じました。

 

老舗のマスメディアの人達が急速なデジタル化で危機を感じて、どうしようか?ああしようか?と混乱している一方で、ソーシャルメディアやオウンドメディアによって個別の企業が自分たちでコントロールできるメディア力を持つ時代になりました。彼らからしてみれば「別にマスの人達のピンチは知りませんわ」ということなのだと思います。残念ながら。

 

会場の空気は新しい時代に突入したワクワクよりも、これからどうしようのハラハラの方が強かったようで、ここに違和感を感じたのかもしれません。

 

セミナーを早く切り上げたら、後は飲むだけです。

 

ウメキタフロアwebsiteより 深夜4時まで営業だって!

 

余談

グランフロント北館6階のニューエイジ屋台村みたいなフロアが面白かったです。いろんな店の料理や酒をいろいろ注文できてテーブルまで持って来てくれる。

 

平日だったからなのか、全般的に空席が目立ち黒ビールのジョッキが1杯444円!「安す〜」と皆で驚きながらも「大丈夫か、大阪!?」と心配になりました・・・

 

 

 

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