15秒のテレビCMで最後に一瞬流れる“オチ”は要らないのでは?

個人的に、あのテレビCM特有の「オチ」は必要がないような気がしているのです。

 

石田ゆり子さんがチェッカーズの曲を口ずさむ印象的なCMです。最後にはムーブがしっとりと大自然の中を走る。いい雰囲気ですね。もし私が女性で、生活の足の軽自動車を探しているなら、これを見てダイハツムーブの好印象が頭に残ると思います。ちなみにこのCMには私が気になるあの「オチ」は含まれていません。

同じダイハツのCMでオチがあるものがこちらです。

 

DAIGOさんと可愛らしい男の子、素敵な奥さんの1コマを描いたCMです。タントの特徴、乗り降りがしやすいことを子どもが差す傘で表現しています。中盤まではとても分りやすいです。子どもが変な行動をしているのは、タントの入り口が広いからなんだなって、分ります。
実際雨の中で子どもを連れて買い物して、車に乗り降りする状況はなかなか大変です。自分がズブ濡れになっても子どもが濡れないように傘を畳んで、車に乗せて上げようというのが親心ですからね。中盤まではストーリーと車の魅力がうまくマッチした展開だと思います。

ところがです。12秒から15秒までのラストにCMは急展開を見せます。可愛らしい男の子が雨の中で傘をささずに喜んでいる、その姿にパパ役のDAIGOさんが「今は差そうよ」とたしなめている。END

ええ、分ります。前半で晴れているのに傘を差す子どもがいて、その理由はタントは助手席と後部座席の間に「壁」がないから、スムーズに乗り降りできるから。その大きなメリットを伝える為に、晴れなのに傘をさす子どもからストーリーを始めている。

「育ち盛りの家族へ、タント」というフレーズを挟んで、残り3秒で別のシーンの子どもの姿を見せてオチをつけて、作品として完成させている。お見事!

でも、このオチ必要ですかね?

タントを買いたいという層がCMを見て、タントについて調べたり、販売店に行こうかという行動を起させる映像の最後に、ちょっとした巧いオチが本当に必要ですかね?

僕が消費者の立場なら、もう一押し傘を差したままでも乗りやすいことが分るカットがあってもいいくらいです。単純に「おお便利そう」って思うだろうから。

 

たまたまダイハツのCMが見つかったので、例示しましたが、テレビを注意して見ていると、この手の「最後にちょとしたオチありCM」は多いです。「あ」とか、「お」とか1秒もないような役者さんの演技で落としているCMを見た時に、個人的には、そのオチの意味する事に注意が取られてしまって、肝心の商品やサービスの魅力を忘れてしまいがちになるのです。
15秒という限られた時間の中でオチまで綺麗にきめるCMクリエイターの技には拍手を贈ります。でもやるなら30秒とか1分のもうちょっと余裕がある尺でやる方が効果的なのでは?と思いました。

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